トシじぃの雑学的健康情報

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ミネラルと免疫力と病 その5

ミネラルと免疫力と病

ミネラルの主な働き

カルシウムやリンが骨の材料になるように、ミネラルは身体の構成材料としてだけでなく、次のように重要な機能を担っています。

酵素活性化と代謝機能の向上

私たちの生命活動は、口から取り入れた栄養素を様々な過程を経て、身体を構成する約37兆個の各細胞内に吸収することで維持されています。ミネラルは、この代謝機能にかかわる酵素を活性化しています。(詳細は後述)

ビタミンの活性化と共同作業

ビタミンとミネラルは、共同で機能維持の働きをしています。大きな違いは、ビタミンが炭素・水素・酸素などからできている有機物であるのに対し、ミネラルは無機物である点です。共通点は、ともに体内で合成することができないため(一部ビタミンは合成可)常に摂取していないと不足がちになる点です。ビタミンはミネラルが不足していると効果を発揮することができず体外に排出されます。

身体のpH維持機能

私たちの身体は約pH7.3の弱アルカリ性が良好な状態で、身体を酸性に傾ける物質が入ったときにミネラルは中和する働きをします。

細胞浸透圧作用の保持・調整機能

細胞は、細胞膜を通して外部の栄養素を取り入れ、内部の不要物を排泄しています。この作用を正常に保つために、ミネラルは細胞内液と外液のバランスを調整します。

【ご参考】
⇒細胞浸透圧(濃度勾配)
一つ一つの細胞は、細胞内側と外側とのもののやりとりを細胞膜を通じて行います。例えば、ナトリウムイオンは細胞外の濃度が高く、カリウムイオンは細胞内の方が高くなっています。細胞は、イオンが高い方から低い方に流れる濃度勾配(のうどこうばい)を利用して必要な栄養物などを摂り入れ、二酸化炭素などの老廃物を排出しています。細胞(身体)自体が、ミネラルの微妙なバランスで成り立っていることがここでもわかります。



ミネラル(元素)の種類

私たちの身体を構成する元素は、総称として「微量元素」あるいは「生体ミネラル」などと呼ばれ、体内中に存在する量によりさらに4区分されています。

(1)体重1g中に10mg以上存在する元素を「多量元素」⇒カルシウム・リン

(2)体重1g中に1~10mg存在する元素を「少量元素」⇒イオウ・カリウム・ナトリウム・マグネシウム

(3)体重1g中に1~100μg存在する元素を「微量元素」⇒鉄・フッ素・ケイ素・亜鉛ルビジウムマンガン・銅

(4)体重1g中に1μg以下存在する元素を「超微量元素」⇒アルミニウム・バリウム・セレン・ヨウ素モリブデン・ニッケル・コバルト・バナジウムゲルマニウム・リチウム・タングステン・チタンなど

※mg=ミリグラム、μg=マイクログラム
※割合が少ない元素でも、欠乏状態が慢性化すると身体への変調をきたします。

現代型栄養失調(栄養の偏り)

現代社会に生活する私たちの食生活では、3大栄養素摂取過剰で、「一部のビタミン」と「ミネラル全般」が不足という偏った傾向になりがちで、現代型栄養失調とも指摘されます。食生活の西洋化やファーストフード・インスタント食品・加工食品が増えたことはもちろん、促成栽培(ハウス栽培・養殖など)された食材自体にビタミンやミネラルが少なくなっている為、バランスのとれた栄養を摂取することは不可能といっても過言ではありません。

そして、この現代型栄養失調が癌・糖尿病・アトピー・ストレス性疾患などの生活習慣病をまねく大きな要因の一つといわれています。 


「温故知新が 現代型栄養失調を 防ぐかな」
          (詠み人 息子)


続く