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リンパを流すと健康になる その6

リンパを流すと健康になる


体の中には、太いリンパ管である「胸管」というものがあります。「胸」の「管」という字の通り、食道のそばを走っています。まあ言ってみればリンパ管の親玉みたいなものです。体中の細胞を巡り、老廃物や疲労物質等を回収してきたリンパ液は、心臓の後ろと食道の間を通って、やがては左鎖骨の下あたりで静脈と合流します。ここまでくれば回収は終了です。

心臓の近くに親玉がいるということは、心臓よりも上にあるリンパ液は放っておいても重力によって戻ってくるということ。
筋ポンプ作用などが働かなくても、勝手に静脈との合流部に向かって流れてくる。だから、顔は実はむくみにくいのです。同じ理由で、健康な人の手もむくむことはありません。手は常に動かしていますから、無意識の内に筋ポンプ作用が活発に働いているのです。

例えば電車で吊り革につかまっている状態も、腕のリンパの流れをよくしていることになる。鞄を持つと重力によってリンパ液は静脈との合流部に流れます。食事の時も、腕や手は慌ただしく動いて、筋ポンプ作用も働いています。従って手や腕がむくんでいるというのは、何か別の疾患が考えられるでしょう。それでは、リンパ液が静脈に回収されるまでには、どれくらいの時間がかかるのでしょう。心臓を出た血液は、全身を巡って40秒で戻ってきます。ところが、リンパ液の流れというのは非常にゆっくりで、体中を一周するのに約12時間かかるといわれてます。ゆっくりゆっくりと流れている。そういう特徴を持っているために、流れが滞ることになるのです。

このリンパの流れを正常に保つために最も大切なことは睡眠です。実際に眠らなくとも、とにかく横にすることがなにより大切なのです。ゆったりと横になり、足の下に毛布などを置いて、足を心臓よりも高くしてあげる。この状態を6,7時間も保てば、足のむくみは自然と取れます。

朝から仕事して、夕方になるとどうしてもむくみが出てきます。相対的に見れば、やはり女性の方がむくみは強く現れるようです。
それは単純に、筋肉量の差だと考えられます。男性の方が女性に比べると筋力がある。つまりは筋ポンプ作用が強いわけですから、血液やリンパの流れがいい。同じ条件で仕事していても、女性の方がむくみやすいのは仕方のないことです。

 ただし人間の体はうまくできているもので、実は女性ホルモンには体の中の水分の流れをよくするという働きがあります。毛細血管での水の移動を助ける役割を持っている。筋ポンプ作用が弱いのを補っているのです。その証拠に、生理前になるとむくみが出てくる女性が多い。これは月経前症候群といって、生理の前になると頭痛や体重増加、あるいはむくみといった症状が出る。その原因は、女性ホルモンの減少にあります。生理前になると、女性ホルモンの中のエストロジェンという物質が減少する。この物質の減少によって、水分が溜まりやすくなるのです。この治療法としては、利尿剤を使って水分を躰の外に出す方法があります。また、むくみを少しでも解消するために、弾力性のあるタイツを穿くわけです。

適度に締め付けることにより、筋ポンプ作用の補助をする。日本陸軍のゲートルとまったく同じ効用を生むことになります。
あくまでも締め付けるのは一定の時間に限ること。


「締め付けは 一定時間に 限るべし!」
             (詠み人 息子)

続く