亜鉛による抗ウイルス効果 その6
亜鉛による抗ウイルス効果
亜鉛と体内酵素
亜鉛を含んでいるタンパク質は、3000種類以上もある。亜鉛は、1000種類以上の酵素に関わっており、そのうち120以上が分子構造の構成に必要。亜鉛は、2000種類以上の転写調節因子(遺伝子発現の時に必要な転写=コピー作業)の発現や機能にも関与している。
亜鉛による抗ウイルス効果 その5
亜鉛による抗ウイルス効果
免疫力に重要な栄養素
風邪を予防する栄養素は、いろいろある。特に重要なのは、亜鉛の他に、ビタミンD。風邪や感染症には、有力な栄養素です。夏場は日光浴で貯蓄し、冬場は、魚に含まれているので、しっかりと摂取すれば免疫力はさほど低下しない。ビタミンCは、風邪にはビタミンCとよく知られているが、治すというより予防する方に効果がある。ビタミンAは、免疫器官の一つである粘膜を濡らすのに必要。粘膜を鍛えることは現代人には重要である。マグネシウムはあらゆる酵素を活性化するので、当然必要です。タンパク質、ダイエットする女性の場合、明らかに低タンパク状態が多い。免疫細胞の白血球が活性化するには、タンパク質が不足していると無理なのです。タンパク質が充足されて免疫力のベースができ、そこにビタミンやミネラルが必要となる。
亜鉛は予防にも治療にも効果がある⁉
数カ国の実験結果でも、亜鉛は予防にも効果があるが、他の栄養素と違うところは、風邪を引いたあとに治療として投与すると発症期間を短縮し、重症度を大幅に低下させた。特に風邪発症後、24時間以内に摂取すると効果が大きかった。亜鉛の摂取量が多いほど効果も大きかった。ただし、子供には効果は認められなかった。亜鉛は、T細胞、 NK細胞、抗体の産生、マクロファージなど、免疫活性を高めることにより、酸化ストレスを緩和し免疫反応を改善し、感染から体を守っている。リンパ球の分化や成熟など免疫系の訓練の場となる胸腺にある数種の胸腺ホルモンは、亜鉛によって活性化される。亜鉛が不足すると、必要な胸腺ホルモンの活性が低下し、敵か味方かの識別する訓練の能力が落ちてしまう。そうすると、敵ではない味方まで攻撃する自己免疫反応を引き起こす。つまり、アレルギーやアトピーを発症してしまう。
亜鉛による抗ウイルス効果 その4
亜鉛による抗ウイルス効果
食事と生活習慣を改善したら、ここ数年風邪にかかっていないという話しを聞いたことはありませんか。風邪と言うのは、特定の栄養素が不足するとかかりやすい。風邪は免疫力が低下したときにウイルスが体内に入って来て感染した時の症状をいう。
ミクロ戦士の働き
わたしたちの体は常にウィルスとか細菌にさらされている。でも、体の中の免疫細胞と言うミクロの戦士たちが、そういったウィルスや細菌を倒してくれて、感染症にかからないようになっている。しかしこれら戦士たちが弱って免疫力が下がっているときにかかりやすい。ある特定の栄養素と免疫とは深く関わっており、中でも亜鉛が非常に重要である。
風邪は乾燥時期に流行
風邪は年中、罹患するものだが、特に11月から3月の乾燥時期に流行します。乾燥すると何が良くないかと言うと、私たちの体にはあらゆるところに粘膜があります。目にも、鼻の奥にも、口の中も、耳の奥にも、消化器官にもある。粘膜がウイルスやバイ菌から守っている。免疫の一つの器官でもある。ところが、乾燥するとこの粘膜が濡れづらくなる。しかし、普段から栄養をとっていれば、粘膜は常に濡れている状態となっている。だから、乾燥時期でも風邪に強いのです。栄養素があって、はじめて濡れるのです。
「粘膜が 乾燥すると 風邪ひきます」
(詠み人 息子)
続く
亜鉛による抗ウイルス効果 その3
亜鉛による抗ウイルス効果
亜鉛は、色々な免疫細胞を活性化させる⁉
- 自然免疫といえば、お主に好中球・ 樹状細胞・マクロファージ。これらが先陣でウイルスに攻める。彼らからウイルスの特徴を教えてもらった後、ヘルパーT細胞・キラーT細胞・B細胞たちが次にウイルスを攻撃する獲得免疫の働きをする。亜鉛は、これらの免疫細胞それぞれを活性化※させる。
※生物分野において、静止状態にある細胞を活動させるために刺激すること。これによって活性化した細胞において、生化学的、機能的な変化が起こる。言葉を換えれば、亜鉛が不足してると機能しない。
免疫と言えば亜鉛⁉
- 亜鉛は,T細胞・NK細胞・抗体の産生・マクロファージなど免疫活性を高めることにより、酸化ストレスを緩和し、免疫反応を改善し、感染から体を守っている。亜鉛不足では、まったく話しにならない。免疫と言えば、亜鉛があげられるのです。亜鉛は、免疫システムの一部のみに働いているのではなく、とても複雑で免疫細胞の数百の遺伝子のすべての発現に関わって作用している。
動物実験では、妊娠中の亜鉛欠乏は子供の免疫機能を低下させるだけでなく、そこから亜鉛の十分な食事を与えられていたとしても第2および第3の子孫世代で免疫機能の低下が見られた。
ヒト組織中の亜鉛の体内分布と濃度
臓器… 0.01ppm
骨・皮膚… 0.012
血液… 10
赤血球… 15~18
血中… 90~100
白血球… 380~450
亜鉛による抗ウイルス効果 その1
亜鉛による抗ウイルス効果
冬の時季には,あらゆるウイルス感染症、特に風邪などが流行します。なかでも,今年はコロナウイルスが大流行しています。こういった手強いウイルスは混乱を招きます。体の免疫システムを維持するのは非常に重要です。
ミネラルで言えば、亜鉛とマグネシウムです。今回は亜鉛について概略を説明します。そもそも亜鉛の摂取量が少ない。相当数が亜鉛不足に陥っていると思います。日本人では平均8mg/日ところが必要量は慢性疾患や風邪予防には15~30mg/日状態によっては、上限40mgは求められる。
亜鉛と言うのは免疫細胞たちを活性化させるミネラルの一つです。これが不足したり欠乏すれば、当然免疫が働きません。という事は、どのようなウィルスにも感染してしまい体が弱まる可能性がある。亜鉛をしっかり充足していれば、肺炎やウイルス性肺炎などを大きく減少させることができる。もちろん、亜鉛だけですべて解決出来るものではないが・・・。色々な栄養素が複合的に絡み合って相乗効果によって免疫力を高めたり、ウイルスを倒したりする。そういった機序(メカニズム)がある。
風邪や感染症はウイルスによって引き起こされることが多く、亜鉛はウイルスの複製を阻害することに役立つ。予防にも治療にも効果が認められている。亜鉛を摂取することによって、ウイルスに直接的に攻撃することが分かっている。
ウイルスの複製するときに使うRNAポリメラーゼという酵素がある。人間の細胞にもある酵素RNAを合成するときの酵素だが、これを亜鉛が直接攻撃している。ウイルスのタンパク質に結合し切断するのです。
「ウィルスの 予防に亜鉛は 重要です」
(詠み人 息子)
続く
紅茶でインフルエンザ予防 B-2 完
紅茶でインフルエンザ予防
紅茶の飲用頻度が高いほど、インフルエンザ発病率が低い!
先ず、ワクチン接種によるインフルエンザ発病率への影響を検証したところ、ワクチンを接種しなかった人に比べ、ワクチンを接種した人の発病率が57.9%低いことが分かりました。これは、6歳未満の小児を対象とした2015/16シーズンの疫学研究の報告と概ね一致したことから、ワクチン接種によりインフルエンザの発病や重症化を抑制する一定の効果が現れていたと考えられました。
このため、ワクチンを接種しなかった人369名を対象に、冬季の紅茶の飲用頻度とインフルエンザの発病率の関係を評価したところ、紅茶の飲用頻度が高い人ほど、インフルエンザの発病率が低くなる傾向が見られました。
紅茶は他の感染対策に比べても、簡単で効果的である可能性
日常的に実施していたインフルエンザ対策方法と発病率の関係を評価したところ、紅茶の飲用はワクチン接種以外の他の対策に比べ、有効率が高い傾向が見られました。
冬のインフルエンザウイルス対策に、紅茶の上手な取り入れ方!
冬の季節には、冷たい紅茶を飲むよりも、心も体もホッと温まる紅茶がおすすめです。また、カフェインレスの紅茶でも、インフルエンザウイルスを無力化する効果は変わらないことが確認されているので、カフェインが気になる小さなお子様や妊婦さんにはカフェインレスの紅茶がおすすめです。
2杯目、3杯目の薄い紅茶も有効活用。紅茶うがい!
使い終わった紅茶のティーバッグを捨てるときに、「まだ色が出るのに、もったいない」と思ったことはありませんか?でも、2杯目の紅茶は、紅茶の色は付くけれど、香りが薄くて美味しくないですよね。実は、紅茶の赤橙色は紅茶ポリフェノールの色。使い終わったティーバッグや茶殻にも、紅茶ポリフェノールは沢山残っています。薄めた紅茶を使ってインフルエンザウイルスの無力化する力を調べてみると、通常飲用濃度の10分の1の濃度でも、十分にインフルエンザウイルスを無力化する力が残っていることが分かりました。
また、ヒト介入試験により、「紅茶うがい」によるインフルエンザウイルスの感染率を低減させる効果が確認されています。残ったティーバッグや茶殻を捨てる前に、「紅茶うがい」に活用してみては如何でしょうか?
「ウチでなら 紅茶うがい 出来るかな」
(詠み人 息子)
完
紅茶でインフルエンザ予防 B-1
紅茶でインフルエンザ予防
紅茶のインフルエンザウイルス感染阻止力の研究について、お茶に含まれる成分には、様々なウイルスの活性を奪う作用があることが報告されています。三井農林 お茶科学研究所の研究結果と、これまでに報告されている紅茶がインフルエンザウイルスの感染を阻止する効果について、御紹介したいと思います。
紅茶ポリフェノールがインフルエンザウイルスのスパイクに付着!無力化します
インフルエンザウイルスの表面は、「スパイク」と呼ばれる突起状の蛋白質で覆われています。インフルエンザウイルスがヒトに感染する際、スパイクが呼吸器粘膜の細胞表面に吸着、侵入するうえで重要な役割を担っています。
紅茶ポリフェノールは、この「スパイク」に付着し、ウイルスが細胞に吸着する能力を奪う力が強いため、ウイルスの感染を阻害し、無力化することが分かっています。
紅茶はインフルエンザウイルスを撃退する力がすごい!
紅茶のインフルエンザウイルスを撃退する力が、他のインフルエンザ対策に良いとされている飲み物や食品成分と、インフルエンザウイルスを無力化(細胞への感染を阻止)する能力を比較してみました。その結果、紅茶はインフルエンザウイルスを無力化する能力が高いことが分かりました。一方、インフルエンザ対策として多く飲用されている生姜湯、乳酸菌飲料、ビタミンC飲料は無力化する能力が紅茶に比べ低いことが分かりました。
紅茶は15秒で効果あり!
ポリフェノールを豊富に含む飲み物について、インフルエンザウイルスを無力化させるのに必要な時間を比較してみました。紅茶は、他の飲み物よりも短い、わずか15秒ほどでインフルエンザウイルスを無力化することでき、ウイルス感染を阻止する能力が極めて高いことが分かりました。
紅茶で無力化したインフルエンザウイルスの感染力は復活しない
紅茶のインフルエンザウイルスを無力化する作用があることが試験管レベルで確認されましたが、生体レベルでもインフルエンザウイルスの感染を阻止できるのか確認を行いました。インフルエンザウイルスに感染しやすいマウスに対して致死量のウイルスを経鼻接種したところ ウイルスのみを接種すると10日後に全てのマウスが死亡してしまいました。一方、ウイルスに紅茶エキスを5分間反応させた後、ウイルスをマウスに接種すると、14日間経過後も死亡することなく、全てのマウスが生残しました。
このことから、このことから、紅茶によって無力化されたインフルエンザウイルスは、生体内においても感染力が復活することはなく、発病を抑制できることが分かりました。
「スパイクを 紅茶ポリフェノールが ブロックす」
(詠み人 息子)